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最高裁判所第一小法廷 昭和35年(あ)31号 決定 1960年4月28日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人丹篤の上告趣意は、事実誤認の主張であり、同弁護人の追加上告趣意(一)は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反の主張であり(刑法九六条の二の犯罪の成立には、仮差押、仮処分その他の強制執行を免かれる目的あるを以て足り、その執行の全部又は一部の行われたことを要するものでないこというまでもない)、同(二)は、違憲をいうが、原判決の是認した第一審判決は、証人加藤金次、同橋場秀の証言および供述調書その他挙示の証拠を総合して判示犯罪を認定したものであること明白であるから、所論はその前提を欠くものであって、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条一号、三号を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 高木常七)

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